【液状封止材】レゾナック、生成AI向け半導体パッケージ用液状封止材に関する特許の維持が決定

 レゾナックは、同社が保有する液状封止材に関する日本国特許(特許第7687499号)に対して、第三者から特許の有効性に関する異議の申立てを受けていたが、2026年3月11日に、特許庁により有効性が認められた(維持決定)。この特許は、今後需要拡大が予想されている生成AI向け2.5D半導体パッケージにおいて、材料間の熱膨張差に起因する応力やクラック発生といった信頼性課題の解決に重要な技術。

 近年、生成AIの急速な発展に伴い、AI半導体には、大容量データの高速処理や低消費電力化などへの要求が高まっている。これらのニーズを実現する技術として、複数の半導体チップを高密度に実装する2.5D半導体パッケージのさらなる開発が進んでおり、その市場は今後も拡大が見込まれている。*1

 2.5D半導体パッケージのチップやインターポーザー基板*2は、小さな突起状の電極端子(バンプ)を介してパッケージ基板と接続されているが、その間には隙間が生じる。液状封止材は、その隙間(ギャップ)を充填し、温度や湿度、応力の影響から半導体パッケージを保護している。

 半導体パッケージ全体の高性能化に伴い、半導体およびインターポーザー基板やプリント基板など各部材の大型化、複雑化も進んでいる。そのためバンプ接続を行うリフロー工程*3や温度サイクル試験のような信頼度試験において、各種基材と封止材の熱膨張率・弾性率の違いによる応力により、基材や封止材にクラックが発生するといった課題があった。

 同社は液状封止材に用いられる樹脂や添加剤を改良することで、熱膨張率と弾性率を一定の範囲内に調整した液状封止材を開発し、2025年5月に同液状封止材に係る発明の特許を取得した。その後、2025年11月に第三者から異議の申立てがあったが、特許庁にこの発明の新規性や進歩性についての反論書を提出し、審理の結果、特許性が認められ、この度、特許の維持が決定された。

 AI半導体向けの液状封止材に関する同社の特許に対しては、これまで異議申し立てを8件受けているが、いずれも特許性が認められ、特許の維持が決定している。同社は、次世代半導体の材料技術に関する知的資産を積極的に取得・活用することで技術優位性を確保し、半導体材料リーディングカンパニーとして先端デバイス開発の加速に貢献する。

*1 市場成長予測:2.5Dパッケージは2025-2031年でCAGR18.8%成長(出典:富士キメラ総研「2026 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」(調査時期 2025年10月~2026年1月))
*2 機能の異なるチップ同士を配線で接続し、パッケージ基板に実装するために用いられる中間基板のこと(下図参照)。
 *3 高温下ではんだ付けすることにより、電極端子(バンプ)同士を接続し、電気信号を伝達できるようにするプロセスのこと。

先端半導体パッケージ断面図(一例)
液状封止材
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