【ミリ波センサー】八光オートメーション、放射線を使わずに不織布の重さを生産ライン上で全数計測できる「EM SENSE RF-M801」発売

 八光オートメーションは、不織布・フェルトやグラスウール(ガラス繊維)の品質を左右する“単位面積当たりの重さ”(目付け量、1m2当たりのグラム数:g/m²)を、製造ライン上で非接触・非破壊のまま全数計測できる新製品「ミリ波センサーEM SENSE RF-M801」を発売した。
 この製品は、自動車の衝突防止用ミリ波レーダーの技術を応用したもので、電波が物体内部を透過する特性を生かし、放射線を一切使用しないため(車載レーダーと同等の安全性/技適取得済)、有資格者や管理区域を必要とせず、既設ラインにも後付けで導入できる。これまで困難であった「生産途中での目付け量の見える化」を実現し、品質のばらつき抑制・歩留まり改善・材料廃棄の削減に貢献する。

開発の背景
 目付け量(g/m²)は、不織布やグラスウールの性能を直接左右する指標。たとえばフィルターでは、目付け量が捕集効率や通気抵抗といった濾過性能そのものを決定づける。断熱材では断熱性能に影響してくる。とりわけ高付加価値な素材ほど、わずかな目付け量のばらつきが性能低下や不良につながり、高額な廃棄に直結する。
 ところが現状、多くの製造現場では、最終的にロール状態にしてから重量を測って目付け量を管理している。これは生産後の、しかも全体平均での確認にとどまり、生産途中で生じるばらつきはリアルタイムには把握できない。不良に気づいたときには長尺を作り込んでしまい、まとめて廃棄せざるを得ない、という事態が起こりがち。一方、X線などの放射線を用いた検査装置は、放射線取扱主任者などの有資格者・使用許可申請・管理区域の設定が必要で、特に既設ラインへの後付け導入には大きな負担となっていた。
 こうした課題の重要性は、社会的な要因を背景に一段と高まっている。不織布は、各種フィルターをはじめとする高機能・高付加価値の分野へと用途を広げており、こうした素材ほど、目付け量のばらつきが性能や歩留まり、コストに大きく影響する。また、全数管理・検査の自動化(製造業の人手不足への対応)への要請も強まっている。

ミリ波センサーが提供する解決
 ミリ波センサーは、物質内部を透過するミリ波の特性を利用し、非接触・非破壊で「目付け量」を製造ライン上から常時計測する。計測結果を製造装置にフィードバックすることで、ばらつきを抑えた安定生産と、不良の早期検知を実現する。
1.完成後の重量管理から、生産途中の全数管理へ:インライン連続計測し、ばらつきをその場で検知。長尺の作り込み廃棄を防止。
2.放射線レス:衝突防止用の車載レーダーと同等の安全性で、有資格者・使用許可・管理区域が不要。
3.既設ラインに後付け可能:100×81×91mmのコンパクト構成。大型のX線検査装置では難しかった既設ラインへの追加導入に対応。
4.歩留まり改善・高額廃棄の削減:性能に直結する目付け量を安定させることで、不良の発生と材料ロスを抑制。省資源・コスト削減に貢献。
5.エンジニアリング企業としての導入支援:機械装置の改造やPLC連携にも八光オートメーションが対応。導入前には、顧客の素材での「無料テスト計測」も実施。

計測原理
 ミリ波とは、波長がミリメートル単位の電波の総称で、直進性が強く天候等への耐環境性に優れることから、車載レーダーや5Gスマートフォンにも使われている。物質内部を伝搬するミリ波は密度に応じて見かけの波長が変化し、目付け量が多いほど反射して戻るまでの到達時間が遅くなる。ミリ波センサーは、この到達時間の差を目付け量に換算して出力する。

計測原理のイメージ

<主な仕様>
計測方式:ミリ波による非接触・非破壊計測(インライン連続計測)
計測対象物形状:シート形状
計測対象物材質:不織布、フェルト、グラスウール(ガラス繊維)、人工皮革
        ※導電性の材質は不可
対応対象物の厚み:1~50mm(上限は材質による)
リニアリティ:±3%F.S.(2点補正時、温度範囲±5℃)
サンプリング速度:100msec
スポット径:φ100mm
      ※コーナーリフレクターのサイズによる
ミリ波出力レベル:衝突防止用の車載レーダーと同等で人体への影響なし
接続可能センサー数:1コントローラーに対し最大2ヘッド
電源:DC24V(±10%) 28.5W
使用温度範囲:0~50℃(ただし結露なきこと)
サイズ・質量:コントローラー 103×83×36mm、センサーヘッド 100×81×91mm
※記載内容は改良のため予告なく変更する場合がある。

主な想定用途・対象業界
1.各種フィルター:目付け量が捕集効率・通気抵抗(ろ過性能)を直接左右する、機能性フィルター用途
2.人工皮革:不織布を基材とする高級人工皮革。自動車・航空機の内装やインテリアなど、目付け(密度)が風合い・強度を左右する高付加価値用途
3.高性能断熱ブランケット:エアロゲルなどの先進断熱材。石油精製・発電プラントなどの産業用途で、目付け(密度)が断熱性能を直接左右する
4.建材・断熱材:グラスウールなど断熱材の密度(目付け量)管理。断熱の高性能化に対応した断熱性能の安定化
5.医療・衛生材料:シート状素材の目付け量のインライン管理

価格・提供について
発売日:2026年7月1日、価格:オープン価格

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