【コンパウンド】SABIC、高電圧パワーモジュールの実現に寄与する新しい「LNP THERMOCOMP OFM」発表
SABICは、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)をはじめとする電力スイッチングデバイスなど、高出力・高電圧の電気駆動システムやパワーモジュール用途に最適な、LNP(tm) THERMOCOMP(tm)コンパウンドの新シリーズ2製品を発表した。ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂をベースとする新製品「LNP THERMOCOMP OFM76XXP」および「LNP THERMOCOMP OFM76EXP」は、優れた耐衝撃性と寸法安定性、高いCTI(比較トラッキング指数:CTI-PLC 0)、および耐熱衝撃性を備えており、ますます厳格化する要件に対応する。さらに、高耐熱性、効果的な電気絶縁を実現する絶縁破壊強度、そしてUL94 V0規格に準拠した難燃性(FR)も兼ね備えている。
この高機能性材料は、高電圧(800V以上)のEV用トラクションインバータや急速充電器のパワーモジュール、再生可能エネルギーシステムやロボティクスなどの産業オートメーション用途での活用も期待される。
SABICスペシャリティー事業部でバイスプレジデントを務めるSergi Monros氏は、「高電圧化、電力密度の向上、そして小型化が進む中、電力システムにおいて重要な役割を担うIGBTスイッチなどのパワーエレクトロニクス機器メーカーは、安定性と出力の向上に寄与する材料を求めています。SABICの専門家チームは、変化を続ける顧客ニーズを先取りし、既存ソリューションの性能を上回る特殊熱可塑性樹脂の開発に取り組んでいます。私たちは、市場で評価の高いLNPコンパウンドの製品群を、新たな機能、より高い性能、そして信頼性とともに進化させ続けています」と話している。
最高レベルのCTI特性を発揮する新しいLNP THERMOCOMPコンパウンドは、PLC 0のCTI値を示す他のPPS樹脂と同様、熱老化が懸念される環境下においても優れた強度と絶縁性能を維持しつつ、靭性をも向上させている。これらSABICのコンパウンドは、200度Cで1000時間の熱老化試験後も、強度および絶縁性能の90%を維持する。これらの材料は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)やPPA(ポリフタルアミド)と比べ、優れた寸法安定性と耐熱衝撃性を発揮する。また、薄肉での難燃性(UL94 V0:0.4mm厚)に優れるため、小型・軽量な部品設計が可能となる。さらに、IGBTに印字が求められるQRコードの視認性を確保するため、白色や明るい色の製品も利用可能である。
また、次世代グレードであるLNP THERMOCOMP OFM76EXPは、優れたレーザーマーキング性能、同種材料の中で最高レベルの衝撃強度、シリコーン系シーラントへの接着性、および耐亀裂性を備えている。
これらの材料は、IGBTモジュールの絶縁ベースプレートのほか、直流送電システム、高電圧インバータや遮断器、一体型バスバーブラケット、再生可能エネルギー関連のインフラなどでの活用も見込まれている。
LNP THERMOCOMP OFM76XXPおよびLNP THERMOCOMP OFM76EXPコンパウンドは世界中で入手可能である。



