【フレキシブル電波吸収体】メクテック、厚さ0.1mm未満の「フレキシブル電波吸収体」を新開発

 NOKのグループ会社であるメクテックは、次世代の高速通信機器やヒューマノイドといった、今後需要の拡大が見込まれる分野の高周波ノイズ対策に向け、厚さ0.1mm未満の「フレキシブル電波吸収体」を新開発した。

 

フレキシブル電波吸収体

同製品は、フレキシブルプリント基板(FPC)の製造技術を応用することで、「薄型・軽量、かつ高い柔軟性と屈曲性」を実現し、限られたスペースや複雑な曲面への配置が可能。さらに、表面に微細な模様を施す独自のメタマテリアル※2技術を採用し、5G通信やヒューマノイドなどで利用される大容量・高速通信向けの電波(ミリ波帯※3)を吸収する。メタマテリアル研究革新拠点(Meta-RIC®)への参画を通じて構築した実測・評価手法を用いた自社検証において、その代表的な周波数である28GHz帯で99%以上の高いノイズ吸収性能を確認した。FPCの強みと高い電波吸収性能を組み合わせることで、電子機器のさらなる小型化・軽量化と安定した高速通信の両立を支え、次世代モビリティやスマートデバイスの発展に貢献する。
 

【新開発】フレキシブル電波吸収体の特長
・FPCの製造技術を活かした極薄設計(薄型・軽量、かつ高い柔軟性と屈曲性):厚さ数十~数百μm、重さ数十~数百g/m2の薄型・軽量設計を実現し、機器の狭小部や複雑な曲面に配置が可能。
・自由な周波数選択:独自の回路デザインにより、ミリ波帯を中心に狙った周波数の選択が可能。
 ※28GHz帯で99%以上の吸収を達成。
・既存ラインを活用した量産対応:FPCの製造で用いられるRoll-to-Roll(ロールツーロール)工程など、
 既存のFPC生産ラインを活用することで、安定した大量生産への対応が可能。
・耐熱性:フレキシブル電波吸収体はFPCと同等の耐熱性を有する。
 
開発の背景
 現在、5G通信の普及や次世代通信技術の開発に伴い、高周波帯の電波利用が本格化している。電子機器の小型化や省スペース化が進むなか、内部の限られたスペースにおいて確実なノイズ抑制を行う技術の必要性が一段と高まっている。メクテックは、この次世代のニーズに応えるべく、自社の高周波FPC技術とメタマテリアル技術を融合。0.1mm未満という極薄構造設計を実現し、同製品を通じて、次世代通信やモビリティ、スマートデバイス、ヒューマノイドなど、小型化・高機能化が進む先端機器の安定動作を支えることで、NOKグループが掲げる「Essential Core Manufacturing ― 社会に不可欠な中心領域を担うモノづくり」を体現し、次世代テクノロジーの発展に貢献する。
 
今後需要が見込まれる用途例
 次世代の高速通信機器(5Gミリ波/6G)、次世代基地局(HAPSなどNTN)、航空・宇宙領域(通信衛星など)、自動車や次世代モビリティ、ヒューマノイドや次世代ロボティクス、ウェアラブル端末
 
メタマテリアル研究革新拠点(Meta-RIC®)への参画
 同製品のような極薄のメタマテリアル構造における電波吸収性能は、その極端な薄さゆえに、従来の手法では正確な測定や評価が困難とされていた。メクテックはこの課題を解決するため、2024年よりコンソーシアムに参画し、研究を続けてきた。拠点長である東北大学大学院 工学研究科ロボティクス専攻 金森義明 教授の指導のもと、実測・評価手法を構築。この産学連携による評価体制により、28GHz帯で99%以上という高い吸収性能が確かに裏付けされ、製品の信頼性向上に直結している。
 
※1 2026年7月現在、メクテック調べ(FPCメーカーとして)
※2 メタマテリアル
 電波や光の動きを思い通りにコントロールするために、人工的に設計された微細な構造体。本製品では、シートの表面に細かい「模様(パターン)」を精密に並べることで、特定周波数の電波だけを吸収する役割を持たせている。
※3 ミリ波
 波長が1~10mm(周波数が30~300GHz)を中心とした電波のこと。主に5G(第5世代移動通信システム)や次世代通信(6G)、自動運転の車載レーダーなど、大容量・高速通信が求められる最先端分野で利用されている。

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