【CFRP補修補強技術】東レの「現場VaRTM工法」、国土交通省の「活用促進技術」に選定

 東レは、このたび、国土交通省が運用する新技術活用データベースである「新技術情報提供システム(NETIS:New Technology Information System)」に登録されている同社の真空含浸成形法を用いたCFRP補修補強技術「現場VaRTM工法」について、同省の「令和8年度 活用促進技術」に選定されたことを明らかにした。
 「活用促進技術」は、NETISの登録技術の中から、総合的に活用の効果が優れている技術や、全国的な普及が有益と判断された技術が選定されるもので、CFRP補修補強技術「現場VaRTM工法」の社会インフラ維持管理分野における有用性が高く評価された。さらに、「活用促進技術」のインセンティブとして、工事成績評定で加点の上乗せ措置があることから、CFRP補修補強技術「現場VaRTM工法」の今後さらなる活用拡大が期待される。
 国内では、高度経済成長期以降に整備された橋梁、送電鉄塔、港湾・船舶関連設備などの社会インフラにおいて、老朽化対策や維持管理の高度化が重要な課題。特に鋼構造物では、腐食や減肉に対する補修補強において、一般的に鋼製の当て板をボルトや溶接で母材に接合する方法が用いられているが、重量物の取り扱いや火気作業を伴うほか、施工対象物への熱影響や損傷リスク、複雑形状への施工の難しさなどが課題となっている。こうした背景から、防爆区域など火気の使用が制限される環境にも適用可能で、安全性、施工効率、品質安定性を兼ね備えた補修補強技術へのニーズが高まっている。
 CFRP補修補強技術「現場VaRTM工法」は、航空機や風車ブレード、自動車などのFRP構造物の成形に用いられる従来のVaRTM技術を、鋼構造物の補修補強に応用し、真空含浸成形法を用いたCFRP接着工法。腐食や減肉が進行した鋼構造物に対し、多積層CFシートや樹脂注入・吸引用チューブなどを配置し、フィルムで覆って真空状態を形成した後、大気圧とポンプの吸引力により樹脂を一度に注入・含浸・硬化させて施工現場にてCFRP補強材を形成する。CFRP補修補強技術「現場VaRTM工法」により、補強材内に空隙が生じず、形状追従性の高いCFRP補強材を形成することが可能。また、樹脂の飛散を防ぎ、養生中の天候変化の影響を受けにくいなど施工性に優れるほか、溶接などの火気作業を必要としないため、防爆区域など火気使用が制限される環境にも適用できる。さらに、炭素繊維は軽量かつ腐食しないという特長を有していることから、資機材の搬入性向上による工期短縮や工事費用の削減に加え、長期的な耐久性の向上にも寄与する。

 東レは、このたびの「令和8年度 活用促進技術」への選定を契機に、道路構造物、送電鉄塔、船舶・海洋構造物など、腐食や補強ニーズを有する鋼構造物分野において、CFRP補修補強技術「現場VaRTM工法」のさらなる適用拡大を図り、施工会社、インフラ保有者、関係機関との連携を通じて、国内外における社会インフラの長寿命化と維持管理の高度化に貢献していく。

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