【半導体】リンテック、福岡県に新たな研究施設「半導体ソリューションラボ」開設

リンテックが入居している福岡超集積半導体ソリューションセンター

 リンテックは半導体の中間工程向けのプロセス材料、直接材料および関連装置などの開発を視野に、2028年10月の竣工を目指し、福岡県の産業研究団地・糸島リサーチパーク(糸島市)内、「福岡超集積半導体ソリューションセンター」の隣接地に、約200億円を投じて新たな研究施設「半導体ソリューションラボ」を開設する。地域経済の活性化を目指す福岡県および糸島市の方針にも合致した同施設の建設に先立ち、2026年8月21日、福岡県庁において3者による立地協定締結式を行う。

技術革新を見据え中・長期的な視点で基盤技術の強化へ
 昨今、AI向けなどの半導体需要が拡大するとともに半導体製造技術が大きな転換期を迎えている。デバイスの高性能化・高集積化に伴い、前工程と後工程の間の境界が曖昧になりつつあるとともに、三次元実装やチップレット集積など中間工程の技術革新が進み、性能・歩留まり・信頼性といった観点からその重要性が高まってきている。
 リンテックでは以前から、福岡県産業・科学技術振興財団が運営する福岡超集積半導体ソリューションセンター内に、研究組織として「実装技術開発室」を設け、スタッフが常駐してパッケージング技術に関わるテープ・装置およびプロセスの開発を進めてきた。その取り組みをさらに発展させていくとともに、半導体業界における構造変化を踏まえて中・長期的な成長を見据えた技術基盤の強化を図るために、同センターの隣接地に新棟を建設し、戦略的な開発拠点を開設することにした。

顧客との共創・クイックレスポンスで次世代プロセスに迅速に応える
 新たに開設する「半導体ソリューションラボ」は、クリーン環境を整備し、実際の製造ラインで稼働するリンテック製および他社製の中間工程設備や後工程設備、あるいは各種分析・解析装置などを導入。顧客と一体となって技術開発を進めていく「共創・即応型」の開発拠点と位置づけ、次世代プロセスへの早期対応につなげることを目指していく。
 リンテックでは、テープの貼付・剥離といった加工条件の最適化提案や、材料評価・プロセス検証などを主な目的として、同様に後工程設備を導入した「アプリケーションセンター」を国内および台湾、マレーシア、北米に設置しているが、各アプリケーションセンターとの密な連携を通じてグローバルR&D体制も強化し、グループ一丸となって材料、装置、プロセスのトータル提案力をさらに高めていく考え。
<「半導体ソリューションラボ」概要>
 投資金額 : 約200億円
 竣工予定 : 2028年10月
 所在地 : 福岡県糸島市東
 敷地面積 : 3435m2
 建屋 : 地上3階建、延床面積 約5000m2
 従業員数 : 25人程度(開設時は15人程度)を予定
 研究内容 : 半導体・電子部品製造工程用材料 など
■リンテックの半導体関連事業について
 リンテックは1986年に、UV硬化型ダイシングテープの開発をきっかけに半導体関連市場に参入。主に半導体製造における後工程で使われる特殊粘着テープの分野で、今日まで強みを発揮している。同ビジネスにおける同社の特徴としては、粘着テープに加えて、それを貼ったり剥がしたりするための各種装置までを自社開発している点にある。
 粘着テープの開発は研究開発本部・研究所(埼玉県蕨市・さいたま市)、装置の開発は伊奈テクノロジーセンター(埼玉県北足立郡)で行っている。
■「福岡超集積半導体ソリューションセンター」について
 公益財団法人 福岡県産業・科学技術振興財団が運営する同センターは、2025年8月、前身の「三次元半導体研究センター」と「社会システム実証センター」が統合され、設計・試作開発から評価・解析、さらには製品化に至る実証評価までを一貫して支援する拠点として開設された。複数の半導体チップを三次元積層するなど、チップの高密度化・パッケージ化を図るために必要な先端機器を整備している。
 リンテックは2023年10月、前身の三次元半導体研究センターに入居し、「実装技術開発室」を開設。以降、半導体関連製品および新規プロセス技術の開発推進に取り組んでいる。

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