【高性能透明化剤】ADEKA、「トランスパレックス」製造プラントを韓国に新設

 ADEKAは、高性能透明化剤「トランスパレックス(TRANSPAREX)」の製造プラントを、連結子会社のADEKA KOREA CORPORATION 全州第三工場内に新設する。

TRANSPAREXを使用した透明度の高いポリプロピレンカップ(左)

 プラスチックは、日用品から食品包装、建材、モビリティに至るまで、私たちのくらしのあらゆるシーンで使用されている。一方で、脱炭素化に向けた取り組みに加えて中東情勢を背景とした石油化学原料の供給リスクなどを背景に、資源を効率的に循環利用する、プラスチックにおけるマテリアルリサイクルの重要性が高まっている。

 ポリプロピレン(PP)は、最も軽量で成形がしやすいことから環境負荷が低く、耐熱性、耐久性をはじめとする機能性の高さから、食品包装やクルマのバンパーなど様々な用途で重用されている。しかしながら、PPは"透明性"の低さが唯一の弱点であり、意匠性を重視される分野では他のプラスチックが用いられていた。

 ADEKAは、こうした状況下において、マテリアルリサイクルの推進とPPへのモノマテリアル化を実現するべく、2024年11月に高性能透明化剤「TRANSPAREX」を上市した。同製品は、PPにガラスのような透明性を付与できる透明化剤。「最も透明性の高いポリプロピレン用透明化剤」として、2025年にギネス世界記録™に認定された。さらに、少量添加での透明性付与やリサイクル時の性能維持、耐熱性・耐薬品性の高さ等様々な機能性をもつことから、食品包装や医療、自動車部材、雑貨などのアイテムで評価が進んでおり、世界中で採用が拡大している。

 「TRANSPAREX」は現在、採用拡大による製品の需要増加が見込まれることから、安定供給を目的に、委託製造に加えて自社製造プラントを新設した。

 プラントを新設するADEKA KOREA CORPORATION全州第三工場は、2018年に用地を取得し、現在は次世代以降の半導体材料の製造設備を擁しており、この余剰スペースに建設する。なお、同社の樹脂添加剤製造への設備投資は9年ぶり。

 ADEKAグループは、「TRANSPAREX」の販売拡大により、2030年度に透明化剤市場を500億円超(2024年度:300億円)へ拡大、当社シェア60%以上(2024年度:14%)獲得することを目標に、マテリアルリサイクルとモノマテリアル化による資源循環を実現していく。


概要

所在地ADEKA KOREA CORPORATION 全州第三工場 (韓国 全羅北道 完州郡)
投資金額65億円
延床面積5,996平方メートル
スケジュール (予定)着工:2026年12月 完工:2028年6月 営業運転開始:2028年11月
新プラントを建設予定のADEKA KOREA 全州第三工場

補足1:高性能透明化剤「TRANSPAREX(トランスパレックス)」について
 ポリプロピレン(PP)に少量添加することで、これまで実現できなかった“ガラスのような透明性”を付与できる高性能透明化剤。さらに、極めて少ない添加量での透明性付与や優れた耐抽出性、リサイクル時の性能保持などの機能性も兼ね備えている。ADEKAは、PPがもつ高い耐熱性・耐薬品性や軽量かつ成形のしやすさからGHG排出量が相対的に低いことなどの利点と併せて、TRANSPAREXを様々な樹脂からPPへ置き換えるモノマテリアル化およびマテリアルリサイクルをはじめとする資源循環促進のキーマテリアルとして、世界中で販売拡大を目指している。

補足2:ADEKAの「樹脂添加剤事業」について
 同社は、1954年に塩ビ用可塑剤「アデカサイザー」を販売開始した。以降、人体に悪影響を及ぼさない可塑剤の提供や、クルマの軽量化に貢献する高性能核剤、燃え広がらず有害物質の発生も抑える難燃剤等、プラスチックの耐久性・機能性・環境性能をプラスする樹脂添加剤を提供してきた。長年培った技術力と幅広い製品ラインアップが当社の強みであり、お客様の求めるニーズに最適な処方の提案や細やかなテクニカルサポートにより、現在、世界の業界シェアは2位を誇る。

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