【半導体】住友化学、AIデータセンターの進化を支えるInPエピウエハの量産・販売開始。光電融合技術の社会実装へ向け、中核材料の供給体制確立

InPエピウエハ

 住友化学は、茨城工場(茨城県日立市)において、化合物半導体の一種であるインジウムリン(InP)エピウエハ(4インチ品)の量産体制を確立し、販売を開始した。InPエピウエハを安定的に量産可能な国内でも数少ないエピハウスの一つとして、次世代デジタルインフラを支える光電融合技術の社会実装に貢献していく。また、2030年代央にはInPエピウエハ製品群で売上高100億円規模を目指す。
 生成AIの普及により、IoTサービス・クラウドサービスの拡大、通信ネットワークインフラの拡充など、様々な領域でデータ処理の高速化・大容量化が求められ、特に膨大な情報量を扱うAIデータセンターにおいては、電力消費や情報処理負荷が世界的に大きな課題となっている。こうした課題を解決する切り札として注目されているのが、光電融合技術。なかでもInPエピウエハは、電気信号と光信号を高効率で変換する高性能な光半導体デバイスを実現する中核材料として、次世代データセンターや高速ネットワーク分野で活用が急速に広がっており、今後も大幅な需要の拡大が見込まれている。
 一方、InPエピウエハの製造では、高温下でのエピタキシャル成長プロセスにおいて、材料組成や表面状態を精密に制御する高度な技術が求められる。さらに、原料ガスの取り扱いを含む製造工程全体で、安定操業と品質確保を両立するための高度なプロセス管理が必要。
 住友化学は、これらの課題に対し、ガリウムヒ素(GaAs)エピウエハおよび窒化ガリウム(GaN)エピウエハの25年以上にわたる量産で培った独自の組成制御技術、薄膜積層技術、結晶成長プロセス制御技術を結集することで、高品位かつ高い生産性を両立するInPエピウエハの量産体制を確立した。
 均質な結晶構造、量産での再現性、均一な膜厚を兼ね備えた高品質なInPエピウエハの量産と販売開始を契機に、光電融合技術の普及を支える材料供給体制を構築し、成長を続けるAIデータセンターや高速ネットワーク分野の関連市場に向けた事業展開を加速する。
 住友化学は、ICT&モビリティソリューション事業を成長ドライバーの一つと位置づけ、なかでも半導体関連事業を重点分野としている。今後は、化合物半導体材料の既存ラインアップであるGaN基板、GaNエピウエハ、GaAsエピウエハにInPエピウエハを加え、無線通信やパワー半導体、データセンター関連をはじめとする成長市場において、さらなる事業拡大を図ることで、次世代デジタルインフラの発展、スマート社会の実現に貢献する。
※ 半導体チップ内やデータセンター内の配線において、従来電気で行っていた信号のやり取りを光に置き換え、電気回路と光回路を一体化することで、消費電力を抑えながら高速・大容量のデータ処理や通信を可能にする次世代半導体・データセンター向け技術

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