【3D Printing】住友化学、グーテンベルク社とLCPフィラメントを開発。半導体・通信・次世代モビリティの開拓を加速

 住友化学は、国産高速3Dプリンタ開発のグーテンベルクと共同で、3Dプリンタ(FFF方式※1)向けの液晶ポリマー(LCP)フィラメントおよび造形技術を開発した。半導体やフィジカルAIの進化に資する機能部材をはじめ、次世代領域用途の開拓を加速する。

左から、 3Dプリント造形品とロボットハンド筐体

 近年、先端産業分野では、複雑形状への対応、軽量化、部品統合を実現する部材への関心が高まり、3Dプリンタを活用した設計・製造が注目されている。こうした潮流の中、造形の自由度に加え、樹脂材料そのものにも高い機能性が求められている。LCPは、耐熱性、高強度、低誘電率・低誘電正接、優れた寸法安定性を兼ね備えたスーパーエンジニアリングプラスチックである一方、3Dプリンタ向け材料としてはフィラメント化や造形の難しさが課題となり、活用は限定的であった。

 こうした課題を踏まえ、住友化学は、積層造形に適したLCPの材料設計およびフィラメント化技術を開発した。さらに、産業用3Dプリンタの開発・製造・販売を行うグーテンベルク社と共同で造形プロセスを検討し、LCP特有の分子配向を制御しながら安定して造形する技術を確立した。これにより、軽量性を保ちながら高い熱伝導性とアルミ合金に匹敵する強度2を実現し、射出成形では対応が難しかった複雑な形状設計や、少量多品種のニーズへの対応が可能になった。

 今後は、半導体製造向け周辺部材をはじめ、フィジカルAI開発の進展に伴い社会実装が見込まれるヒューマノイド関連部材、通信分野、eVTOL3などの次世代モビリティ分野へと幅広く展開を進めます。あわせて、顧客との連携のもと、フィラメントおよび造形物の評価を進めることで、用途開拓を加速する。同フィラメントは本年中にサンプル提供を開始する予定であり、将来的には宇宙・防衛分野への展開も見据えている。

※1 FFF方式:熱可塑性樹脂を溶融し、ノズルから押し出して積層する3Dプリンタ方式
※2 ISO(国際標準化機構)規格に準ずる試験方法により、一定条件のLCPおよびアルミ合金の破断強さを当社にて評価
※3 eVTOL:Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft(電動垂直離着陸機)。「空飛ぶクルマ」とも呼ばれる

<参考>半導体・通信・次世代モビリティなど高付加価値用途の開拓を加速
https://youtu.be/U8ftqsiFsqQ
※撮影協力・ロボットデザイン担当:ハルモニウム

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