【水素燃料エンジン】ジャパンエンジンコーポレーション、川崎重工業、ヤンマーパワーソリューション、NEDO事業で世界初、大型商船向け陸上運転試験に世界初成功。商船三井と商船三井ドライバルクが尾道造船にて建造する多目的船に搭載され、2028年4月から実船実証試験を行う
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発」の委託事業で、ジャパンエンジンコーポレーション、川崎重工業、ヤンマーパワーソリューションの3社は、「舶用水素エンジンおよびMHFSの開発」を推進しているが、このたび、ジャパンエンジンコーポレーションが開発を進めてきた世界初となる大型商船向け水素燃料エンジン「6UEC35LSGH」(以下「本エンジン」)が完成した。これを記念して、2026年9月7日、ジャパンエンジンコーポレーション本社工場に関係者を招き、本エンジンを披露した。
本エンジンは、工場運転にて水素混焼率(燃料に占める水素の割合)95%以上を達成し、GHGの排出量を従来の重油燃料エンジンに対して95%以上削減することを実現した。
今後、本エンジンは、「Blue Harmony」プロジェクトの名のもと、商船三井と商船三井ドライバルクが尾道造船にて建造する多目的船(1万7500重量トン型)に搭載され、2028年4月から実船実証試験を行う予定。また、本エンジンの開発や搭載船の設計・建造・運航の各段階を通して、日本海事協会(ClassNK)が安全性に関する評価を行う。


「グリーンイノベーション基金事業/舶用水素エンジンおよびMHFSの開発」プロジェクト
経緯・背景
国際海運の2050年カーボンニュートラルの実現へ向けて、次世代燃料エンジンの早期開発と社会実装が必須であり、ジャパンエンジンコーポレーション、川崎重工業、ヤンマーパワーソリューションは、NEDOのグリーンイノベーション基金事業において水素燃料エンジンの開発に取り組んでいる。
ジャパンエンジンコーポレーションは、2025年8月に、世界初となるアンモニア燃料舶用低速2ストロークエンジン※1を完成させており、次世代燃料エンジンのファーストムーバーとして、多種多様なエンジンの開発・市場投入を通して日本の海運・造船業界の発展に寄与すると同時に、海運業界におけるGHG削減と、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献している。
今回の成果
ジャパンエンジンコーポレーションは、世界初※2となる大型商船向け水素燃料エンジン「6UEC35LSGH」を完成させた。このエンジンには、高圧直噴方式(燃料を高圧で直接シリンダ内に噴射する方式)を採用することで、水素の安定した燃焼を実現させた。こうした取り組みにより、工場運転において水素混焼率95%以上を達成し、GHGの排出量を従来の重油燃料エンジンに対して95%以上削減することを実現した。また、堅固な水素漏えい防止構造や、水素供給配管に二重管を適用するなど安全対策も講じ、日本海事協会立ち会いのもとで承認のための運転試験が実施され、問題なく完了した。
今後の予定
ジャパンエンジンコーポレーションは、水素燃料船の実現と実用化を目指す「Blue Harmony」※3プロジェクトの一員として、水素燃料エンジンの開発を進めてきた。今後、本エンジンは、2027年1月に商船三井と商船三井ドライバルクが尾道造船にて建造する多目的船(1万7500重量トン型)に搭載される予定。その後、川崎重工業が開発・製造したMHFS※4から水素燃料の供給を受け、海上試運転を経て2028年4月より実船実証試験を実施する計画。川崎重工業は、液化水素を船舶に積み込むためのバンカリング設備の開発・製造も行う。この実船実証試験を通じて実運航条件下での耐久性などについて、引き続き検証する。
※1 世界初となるアンモニア燃料舶用低速2ストロークエンジン
純国産エンジンの商用機として
(参考)
アンモニアを燃料とする純国産エンジンの商用機を世界に先駆けて完成しました(2025年9月1日)
※2 世界初
2026年9月現在、ジャパンエンジンコーポレーション調べ
※3 Blue Harmony
クリーンな水素を想起させる青を基調とし、日本企業の技術の結集と調和、さらに未来における船と人との共生をイメージしたプロジェクトネーム
※4 MHFS
Marine Hydrogen Fuel System(舶用水素燃料タンクおよび燃料供給システム)の略
■参考リンク
「舶用水素エンジンおよびMHFSの開発」がNEDO グリーンイノベーション基金事業に採択(2021年10月26日)
NEDOグリーンイノベーション基金事業特設サイト「次世代船舶の開発」

