【透明薄膜形成材料】住友化学、超低屈折率タイプの塗工液開発
住友化学は、このたび、超低屈折率の透明薄膜を形成できる塗工液の開発に成功した。多様な光学設計ニーズに応える次世代光学デバイス向け材料として、特にCMOSイメージセンサーの集光部や光電融合※1デバイスの光接続部への応用を中心に幅広く展開を進める。

近年、CMOSイメージセンサーなどの光学センシング、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの次世代ディスプレイ、光電融合の展開が進む次世代半導体といった光学デバイス分野では、光学設計の高度化に伴い、材料の屈折率を利用して光を精密に制御することの重要性が高まっている。なかでも、光の利用効率を高めるための材料間の屈折率差の制御や、メタレンズ※2のような次世代光学素子における光の位相・反射の制御などにおいては、極限まで屈折率を低減した超低屈折率材料が強く求められている。
住友化学は、ディスプレイ向けをはじめとする光学材料事業を通じて、高屈折率から低屈折率まで幅広いレンジの樹脂塗工液を開発し、ラインアップしてきた。そこで培った高度な樹脂設計技術を基盤に超低屈折率材料の開発に取り組んだ結果、このたび実用レベルで世界トップクラス※3の屈折率1.06を達成する新規塗工液の開発に成功した。
今回開発した塗工液は、スピンコート法などを用いて基材上へ塗布し、加熱やUV照射により薄膜を形成することが可能。得られる膜は、ナノレベルの細孔が均一に分散した構造を有しており、塗工液の組成や成膜条件の調整により、波長550nmにおける屈折率を1.06~1.36の範囲で制御できる。また、可視光領域において高い透過率を有するとともに、300℃の優れた耐熱性と、高い耐溶剤性※4も兼ね備えている。膜厚は用途に応じた制御が可能。

この開発品は、2026年中のサンプル提供開始を予定している。今回の超低屈折率材料のラインアップ拡充により、住友化学は業界屈指となる屈折率レンジの材料ポートフォリオを有することになる。
※1 光電融合:電気回路と光回路を一体化して信号伝送を光に置き換え、消費電力を抑えつつ高速・大容量のデータ通信を可能にする次世代半導体・データセンター向け技術
※2 メタレンズ:高屈折率材料の微細な柱状構造を並べ、その間を低屈折率材料で埋めた平面型レンズ。従来レンズと比較し大幅な薄型化が可能であり、光電融合などへの応用が期待される次世代技術
※3 2026年8月時点住友化学調べ。常圧で無色透明薄膜を形成できる材料の公開情報比較による
※4 住友化学評価条件下において、アセトン10分浸漬後も膜厚および光学特性の変化がないことを確認

