【質量分析技術の高度化や若手人材育成】島津製作所、東北大学「異分野融合計測イノベーションセンター」に参画

 島津製作所は、東北大学が2026年10月1日に設置する「異分野融合計測イノベーションセンター」(CICMI:Center for Interdisciplinary Collaboration in Measurement Innovation)に参画する。同センターは、分析計測プロセスの高度化を目指した研究開発、分析計測技術を活用した健康に関わる医薬・農学領域における応用研究、ならびに高度研究人材の育成を推進することを目的として設立される。東北大学と島津製作所はこれまで共同研究や共創研究所などで協働しており、引き続き産学連携かつ異分野融合を促す拠点で研究成果を社会実装していく。共同研究期間は2026年10月~2031年9月までの5年間で、両者が資金を拠出する。

左から、東北大学 金子俊郎 異分野融合計測イノベーションセンター長、島津製作所 田中耕一 エグゼクティブ・リサーチ フェロ―、西本尚弘 常務執行役員 CTO、山本靖則 代表取締役社長、東北大学 冨永悌二 総長、青木孝文 理事・副学長(企画戦略総括)・プロボスト・CDO、張替秀郎 理事・副学長(広報・未来型医療・医学/医療共創)、遠山毅 理事(産学連携)
写真提供:島津製作所

 CICMIでは東北大学の青葉山、星陵の両キャンパスに拠点を設ける。主な研究テーマは、島津製作所エグゼクティブ・リサーチ フェローの田中耕一氏が2002年にノーベル化学賞を受賞した「ソフトレーザー脱離イオン化法※1」を基礎とする質量分析技術の大幅な高度化と、同技術の前処理で使用するMEMS(微小電気機械システム)※2の開発。並行して質量分析技術のヘルスケアやグリーン領域におけるアプリケーション(分析用途)の開拓および深耕を図る。田中氏は島津製作所の研究者として共同研究を推進するだけでなく、東北大学の国際卓越教授に就任し、博士課程学生への講義や若手研究者への助言など、人材の育成に努める。
 東北大学と島津製作所は、長らく様々な共同研究に取り組んでおり、2012年には高速度ビデオカメラに用いる高速CMOSイメージセンサ「FTCMOS」を開発した。2024年に開所した「島津製作所×東北大学 超硫黄生命科学共創研究所」では、早期診断技術や治療効果の予測、医薬品・機能性食品開発が期待される超硫黄分子の解析技術を研究し、成果を挙げてきた。また、東北大学の卒業生である田中耕一氏は、2002年に同大学から名誉博士号を授与され、2003年~2014年まで大学院工学研究科の客員教授を務めている。東北大学は、世界最高水準の成果を社会に還元できる大学を文部科学省が認定する「国際卓越研究大学」の第1号に2024年に選ばれている。
※1 タンパク質などの大きな分子を壊さずに、レーザーを使って電気を帯びたイオンにする技術
※2 半導体製造技術を応用して、センサーや可動部品などの微細な「機械」と「電子回路」を1つのチップ上に集積化したデバイス
<異分野融合計測イノベーションセンター概要>
名称:異分野融合計測イノベーションセンター
場所:仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-04 東北大学青葉山キャンパス 工学部管理棟
   仙台市青葉区星陵町1-1 東北大学星陵キャンパス ライフサイエンスラボ(2027年4月竣工予定)
設備:(卓上型)マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計

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