【廃棄物・資源循環】NEDO、GI基金事業「高効率熱分解処理施設の大規模実証」でJFE エンジニアリングの研究テーマ採択。廃棄物熱分解ガス化処理設備の早期社会実装を目指す

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、グリーンイノベーション(GI)基金事業「廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現」プロジェクト(以下、本プロジェクト)で、「高効率熱分解処理施設の大規模実証」において、新たに1件の研究テーマを採択した。
NEDOは今回の採択テーマにより、廃棄物熱分解ガスを化学品原料製造に最適な原料ガスへ転換する技術を開発する。また、大規模スケールで、廃プラスチックから一般廃棄物までの広範な廃棄物から外部水素(H2)を使用せず化学品原料を製造する、全体最適化されたケミカルリサイクルシステムを開発することで、廃棄物熱分解ガス化処理設備の早期社会実装を目指す。
プロジェクトの背景
廃棄物分野から排出されるGHGは、世界および日本全体の排出量のうち約3%を占める。このうち日本では廃棄物の焼却など(単純焼却および熱回収・原燃料利用)に伴うものが約8割を占めている。カーボンニュートラルに向けて3Rのさらなる推進が図られても、最終処分量の削減、埋め立てからのメタン発生の抑制、感染性・有害性廃棄物の適正処理などの観点から、熱処理(焼却処理や熱分解処理)は必要であり、それに伴いGHGが排出される。
世界では、廃棄物の発生量が増加し、埋め立て処分やオープンダンプにより大量のメタンが発生しているが、その発生抑制や衛生処理の観点から、欧州、アジアを中心として、焼却などが普及しつつある。
このため、本プロジェクトでは、廃棄物処理によるGHG排出実質ゼロを目指し、廃棄物中の炭素を安定的かつ効率的に回収して資源として産業に循環・供給する「カーボンニュートラル型炭素循環プラント(CN型炭素循環プラント)」実現のための技術開発・実証を行い、社会実装モデルの創出を目指す。
これにより、廃棄物・資源循環分野のカーボンニュートラル化に貢献するだけでなく、廃棄物中のバイオマス由来炭素の利用により他分野における排出削減にも寄与し得る。また、日本企業の国際競争力(技術面・コスト面)を維持し、一層のシェア拡大や新たな市場の確保を図る。
採択テーマ
今回、グリーン電力の普及促進等分野ワーキンググループの審議を経て、本プロジェクトの追加・見直しが行われたことから、新たな研究テーマの公募を行い、1件を採択した。
採択テーマは「ガス化改質と化学品原料製造による廃棄物ケミカルリサイクル技術の開発」 で、実施予定先はJFE エンジニアリング。
事業概要・目的は、2030年までに、大規模の廃棄物熱分解ガス化処理設備から生成される合成ガスを使用して、化学品等を製造するケミカルリサイクル技術を確立し、全体の炭素有効利用率27%以上を目指すというもので、具体的には下記がテーマとなる。
1.廃棄物由来合成ガスの水素(H2)を増やし、主要成分の比率を任意に調整する技術の開発
2.廃棄物由来合成ガスの酸性成分を除去する技術の開発
3.廃棄物由来合成ガスに含まれる微量成分を除去する技術の開発
4.廃棄物ガス化処理設備と合成ガス高度調整設備および化学品等の製造設備の連携向上のための技術の開発
事業規模は約112億円で、NEDOの支援規模は71億円(上限額)。期間は2026年度~2030年度の5年間。


