【ペロブスカイト太陽電池】リコー、インクジェット技術を活用したペロブスカイト太陽電池の量産に向け生産体制構築を開始

 リコーは、インクジェット技術を活用したペロブスカイト太陽電池の生産体制構築に関する提案が、経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」に採択されたことを発表した。これを受け、ペロブスカイト太陽電池の量産に向けて、当社の生産子会社であるリコーインダストリー 東北事業所(宮城県柴田郡)に、生産拠点の整備を進める。将来的なGW(ギガワット)規模の生産拡大を見据え、2030年までに年間数百MW(メガワット)規模の生産体制の構築を開始する。

 リコーは、インクジェット方式の特長である必要な場所に必要な量の材料を精密に塗布できる技術を生かし、ペロブスカイト太陽電池を構成する全機能層の形成に活用している。これにより、材料の効率的な使用と製造工程の効率化を図り、生産性の向上と製造コストの低減を目指す。

 リコーは、中長期的な成長に向け、商用・産業印刷で培ったインクジェット技術を、機能性材料の塗布・成膜など、モノづくりの領域へ展開する「機能する印刷」の事業化を進めている。ペロブスカイト太陽電池は、その具体的なプロジェクトの1つ。今回の採択を契機に、研究開発・実証から量産・事業化への取り組みを進め、社会実装と新たな事業機会の創出につなげていく考えだ。

背景
 脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーのさらなる導入拡大が求められる中、薄く、軽量で、曲げることができるペロブスカイト太陽電池への期待が高まっている。従来のシリコン系太陽電池では設置が難しかった耐荷重性の低い建物の屋根や壁面などにも設置できることから、新たな発電場所の拡大が期待されている。

 一方、本格的な普及に向けては、発電性能や耐久性の向上に加え、安定した品質で大量生産できる技術の確立や製造コストの低減が重要な課題となっている。

生産拠点の整備
 リコーインダストリー 東北事業所において、ペロブスカイト太陽電池の量産に向けた生産拠点の整備を進める。インクジェット技術を活用した生産方式を導入し、将来的なGW規模への生産拡大を見据え、2030年までに年間数百MW規模の生産体制の構築を目指す。

生産拠点の概要
所 在 地 宮城県柴田郡柴田町中名生神明堂3-1(リコーインダストリー株式会社 東北事業所内)
生産品目 ペロブスカイト太陽電池
生産方式 インクジェット技術を活用した生産方式
量産開始
(目標) 2030年までに開始

リコーのペロブスカイト太陽電池の強み
(1) インクジェット技術による全機能層パターン形成
 リコーは、長年培ってきたインクジェットヘッド技術、インク・サプライ技術、プリンティングシステム技術を組み合わせ、ペロブスカイト太陽電池の製造に活用している。
 インクジェット技術は、微細な液滴を制御し、必要な場所に必要な量の材料を精密に塗布できることが特長。リコーは、この技術をペロブスカイト太陽電池の全機能層のパターン形成に活用することで、材料の効率的な使用と製造工程の効率化を図り、高い生産性と低コスト化の実現を目指す。

(2) 複合機の開発で培った有機感光体技術を応用
 リコーは、複合機の開発で培った有機感光体技術を起点に、有機系太陽電池の研究開発を進めてきました。こうした研究開発で獲得した技術を、ペロブスカイト太陽電池にも活用している。
 長年培ってきたインクジェット技術と有機感光体技術を活用し、ペロブスカイト太陽電池の性能向上と量産技術の確立に取り組んでいる。

これまでの取り組みと今後の展望
 2025年9月、インクジェット印刷ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた技術開発・実証事業が、NEDOのグリーンイノベーション基金に採択された。

 今回のGXサプライチェーン構築支援事業への採択を受け、これまでの研究開発・実証の成果を量産・事業化へとつなげ、ペロブスカイト太陽電池の社会実装を目指すとともに、GX分野における日本の産業競争力の強化に貢献していく。さらに、インクジェット技術を活用した「機能する印刷」の事業化を推進し、新たな成長領域を開拓する。

関連情報  GXサプライチェーン構築支援事業2026 インクジェット印刷ペロブスカイト太陽電池 技術ページ

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