【低炭素リチウム鉱石】マイクロ波化学、カナダ資源開発企業PMETおよび三井物産と、マイクロ波を用いた製錬技術の商業化検討に向けたMOU締結
マイクロ波化学は、カナダのリチウム資源開発企業であるPMET Resources Inc.(PMET)と三井物産との間で、PMETが開発する鉱山から採掘される、リチウムの原料となるスポジュミン鉱石への同社独自の「マイクロ波煆焼(かしょう)※1技術」の適用、および将来的な商業化に向けた共同検討に関する覚書(MOU)を締結した。
マイクロ波化学は「マイクロ波煆焼技術」について、これまで三井物産と共同研究開発およびパイロット実証を進め、その有効性の検証を行ってきた※2。今回、鉱山開発会社であるPMETが参画し、将来的な事業化検討を見据えた同社の鉱石を対象とする技術評価を開始することで、研究開発フェーズから商業化を見据えた事業検討フェーズへと移行する。
協業の主な目的は、PMETが保有する「Shaakichiuwaanaan(シャーキチュワナーン)プロジェクト※3」等のリチウム資源に対して、「マイクロ波煆焼技術」を適用したパイロットプラント試験をマイクロ波化学大阪事業所にて実施し、技術的・商業的な実現可能性を評価することにある。
各社の主な役割は以下の通り。
PMET:本プロジェクト等からのスポジュミン鉱石サンプルの提供、および現地での「高付加価値なリチウム中間原料」の製造に向けた、中間精錬プロセスへの本技術の適用に関する協力。
三井物産:グローバルなプロジェクト開発・事業化能力を活かしたパイロット試験の評価、および将来的な商業化に向けた協議の支援。
マイクロ波化学:自社技術を用いたパイロットプラント試験の主導・技術管理、および将来の商業プラントにおける煆焼工程の概念設計・機器仕様策定の主導。
既にPMETよりスポジュミン鉱石を受領しており、それを用いてパイロットプラントでの試験を進める。パイロットプラント試験の完了後、三者はその結果を検証し、「マイクロ波煆焼技術」の商業化に向けた具体的な協議への移行を検討する。
鉱山のあるケベック州の安価な水力発電由来の電気を活用し、「マイクロ波煆焼技術」を適用して現地で「高付加価値なリチウム中間原料」を製造することで、輸送および物流コストを大幅に削減し、より効率的で低炭素な、特定の地域に依存しないリチウムサプライチェーンの構築を目指す。また、各国の重要鉱物戦略やクリーンエネルギー目標に合致するものであるため、政府機関からの補助金や助成金の獲得に向けた三者での取り組みも視野に入れている。
マイクロ波化学は今後も三井物産およびPMETと緊密に連携し、重要鉱物に関する課題解決や脱炭素の実現に貢献する。また、本件は、マイクロ波化学が注力する金属製錬・鉱山プロセス事業を拡大するにあたって重要なマイルストーン。これを皮切りに同事業の社会実装を加速する。
■PMET Resources Inc.(PMET)について
カナダ・ケベック州のEeyou Istchee James Bay地域に位置する「Shaakichiuwaanaanプロジェクト」を100%保有する、ペグマタイト重要鉱物の探査・開発企業。同プロジェクトは、世界最大級の規模を誇るトップ10のリチウムペグマタイト資源であり、北米における重要鉱物の供給拠点として大きなポテンシャルを秘めている。
※1 スポジュミン鉱石からリチウム成分を効率よく抽出するために、高温で加熱して結晶構造を変化させる熱処理プロセス。
※2 2025年9月29日 プレスリリース
「マイクロ波を用いた低炭素リチウム鉱石製錬技術の共同開発におけるパイロット実証試験を開始」
※3 カナダ・ケベック州に位置する、PMETが100%保有する世界最大級のリチウム鉱山開発プロジェクト。年間を通じてアクセス可能な道路があり、地域の水力発電インフラにも近接している。


