【Printing】千代田グラビヤ、SCREENグラフィックソリューションズの軟包装水性IJ印刷機「Truepress PAC 830F」導入
SCREENグラフィックソリューションズ(SCREEN GA)と千代田グラビヤは、軟包装印刷市場におけるデジタル化の推進と環境負荷低減を目的として協業し、千代田グラビヤ・潮来第二工場に導入された水性デジタルインクジェット印刷機「Truepress PAC 830F」を活用した、軟包装パッケージの本格生産を開始した。

近年のパッケージ市場では、消費者ニーズの多様化や商品のライフサイクルの短期化に伴い、多品種小ロット生産への対応が求められている。また、サステナブルな社会の実現に向けて、製造工程における環境負荷の低減や資源利用の最適化への要求も高まっている。
さらに、原材料価格の上昇や調達リスクの顕在化、人材不足といった社会課題への対応も急務となっている。
グラビア印刷の分野では小ロット案件の増加に伴い、準備工程や調色、洗浄作業などの負荷が生産性に影響を及ぼしており、業界全体の課題となっている。
こうした市場環境の変化を踏まえ、千代田グラビヤは商業生産に向けた設備の立ち上げおよび品質検証を完了し、小ロットから中ロットを中心とした軟包装パッケージの受注・生産体制を構築。今後は、従来のグラビア印刷とデジタル印刷を適切に使い分けることで、多様化する市場ニーズへの対応を一層強化していく。

「Truepress PAC 830F」による新たな価値の提供
「Truepress PAC 830F」は、水性顔料インクを採用した軟包装向けデジタル印刷機で、版が不要なデジタル印刷方式により、従来の印刷工程と比較して、ジョブ切り替え時の洗浄や準備に関わる作業を大幅に削減できる。
千代田グラビヤでは、今回の設備の活用によって以下の価値提供を推進していく。
■多品種展開によるブランド価値向上
パッケージサイズを共通化しながらも多様なデザイン展開を可能とし、期間限定や地域限定の商品、テストマーケティング商品などの企画・提案を支援する。
また、小ロットの案件や多品種展開のニーズに柔軟に応え、顧客におけるブランド価値の向上に貢献する。
■SKUの最適化と在庫の削減
必要な数量を必要なタイミングで供給できる生産体制を構築することで、顧客における包装材の在庫の最適化とSKU*の低減を支援しする。
* Stock Keeping Unitの略。商品を管理する際の最小単位
■生産性向上と働きやすい製造環境の実現
従来の印刷方式と同等の高品質を維持しながら、版交換や洗浄作業の削減によってオペレーターの負荷を軽減する。
また、準備時間を従来比約70%削減し、人材確保や技能継承が求められる製造現場において、持続可能な生産体制の構築に寄与する。
■環境負荷低減への取り組みの強化
水性インクの採用と無版印刷の特長を生かし、洗浄作業における溶剤使用量の低減や、必要な数量のみを生産することで、在庫ロスを抑制するなど、総合的な環境負荷低減を推進する。
「Eco Smaart」について
千代田グラビヤでは、デジタル印刷技術を活用した印刷物および関連サービスを、「Eco Smaart」という名のソリューションとして位置付けている。
「Eco Smaart」は、多品種小ロット生産、短納期対応、在庫最適化、環境負荷低減などの市場ニーズに対応するソリューションであり、デジタル印刷を活用した新たな価値提供を推進する取り組み。今回の「Truepress PAC 830F」を活用した軟包装パッケージの本格生産は、「Eco Smaart」の取り組みの一環となる。
今後の展望
SCREEN GAと千代田グラビヤは、軟包装市場におけるデジタル印刷の拡大を通じて、多品種小ロット生産への対応、環境負荷低減、生産性向上を推進していく。
今後は、デジタル印刷と従来のグラビア印刷を適切に組み合わせた最適な生産モデルを確立するとともに、2030年のデジタル印刷比率約10%を目標として、顧客の多様なニーズに応える生産体制の構築を推進し、軟包装業界の持続的な発展に貢献していく。
■千代田グラビヤ 佐藤裕芳代表取締役のコメント
「当社では、多品種小ロット化の進展や環境対応への要求の高まりを受け、生産体制の高度化を進めています。『Truepress PAC 830F』の導入により、従来のグラビア印刷に加え、柔軟な生産体制を構築することができました。今後は、デジタル印刷の特長を生かした新たな価値提案を通じて、お客さまの事業成長に貢献していきます」
■SCREENグラフィックソリューションズ 桜井広美代表取締役 社長執行役員のコメント
「千代田グラビヤによる『Truepress PAC 830F』の本格運用の開始を、大変うれしく思います。同印刷機は、軟包装市場におけるデジタル化と環境対応を支援するソリューションとして開発しました。今後もお客さまとの協業を通じて、新たな市場価値の創出と持続可能な印刷産業の実現に貢献していきます」


