【ポリアミド樹脂】東洋紡エムシー、PFASフリーで高摺動性を実現した「グラマイド」開発

 東洋紡エムシーは、高機能ポリアミド樹脂「グラマイド」において、フッ素樹脂を使用せずに、従来品と同等の優れた摺動性※1を実現した新グレードを開発した。開発品は、自動車のエンジン・駆動系部品のほか、ロボットやコンベアなどの産業機器部品への展開を想定し、2026年度中の上市を目指す。

開発の背景
 グラマイドは、同社独自の配合・混練技術により、高耐熱性、高剛性、良外観、摺動性などの機能を付与したポリアミド樹脂です。これまで、自動車部品や産業機械部品を中心に幅広く採用されている。
 従来、ベアリングやギアといった高い摺動性が求められる部品には、低摩擦性や耐摩耗性を確保するため、フッ素樹脂を用いた材料が採用されてきた。しかし近年、PFAS(有機フッ素化合物)の規制強化を背景に、規制動向を見据えた材料選定の検討が進んでいる。こうした市場環境を受け、同社は独自の配合・混練技術を駆使し、フッ素樹脂を使用せずに優れた摺動性を有する新グレードを開発した。

開発品の特長
 開発品は、PA66をベース樹脂とし、フッ素樹脂の代替として、摺動性を付与する複数の添加剤を配合している。同社独自の混練技術により、これらの添加剤を均一分散させることで安定した材料特性を発現するとともに、ベース樹脂との化学結合などにより添加剤の脱落抑制を可能にした。フッ素樹脂を用いた従来品と比較しても、摺動性、耐熱老化性、耐エンジンオイル性、機械物性、耐久性において優れた性能を示す。

動摩擦係数と摩耗量の比較
 開発品と従来品の樹脂試験片に対して、金属ディスクを一定荷重で押し付けながら回転させた際の動摩擦係数※2と摩耗量※3を評価(下グラフ)。その結果、開発品は従来のPA66製品と比べて、低摩擦特性を示したうえ、摩耗量は大幅に低減した。

動摩擦係数の比較
摩耗量の比較

今後の展開
 自動車のエンジン・駆動部品のほか、ロボットやコンベアなどの産業機器部品など、摺動性が求められる多様な用途への展開を想定している。

開発品のペレット

※1 物体同士が接触して滑り合う際の摩擦の小ささや摩耗のしにくさを示す特性。ベアリングやギアなどに求められ、動摩擦係数や摩耗量などで評価する
※2 物体が滑る際の摩擦の大きさを示す指標。数値が小さいほど摩擦が小さいことを示す
※3 摩擦によって材料が削れた量を示す指標。数値が小さいほど耐摩耗性に優れる

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