【環境配慮型素材】不易糊工業とmizuiro、関西イノベーションセンターのマッチングにより廃棄野菜・果物由来のアップサイクル原料を活用したバイオスターチプラスチック素材を共同開発

 関西イノベーションセンター(MUIC)は、このたび、会員企業であるmizuiroが、不易糊工業と、廃棄野菜・果物由来のアップサイクル原料を活用したバイオスターチプラスチック素材を共同開発したことを発表した。この取り組みは、MUICが実施した企業マッチングを契機として実現したものであり、未利用資源の活用による資源循環と、石油由来樹脂の使用削減による脱炭素化の両立を目指す共創事例である。

企業マッチングから生まれた共創プロジェクト
 MUICは、万博レガシーの社会実装プラットフォームへの発展を目指した会員制のオープンイノベーション拠点。「観光・インバウンド」「環境」「健康」「食」「エンタメ」などをテーマに、企業や人に新たな結びつきをもたらし、社会課題解決に向けた事業創出に取り組んでいる。
 今回、廃棄野菜・果物などの未利用資源を新たな価値へ転換するアップサイクル製品・素材の開発に取り組むmizuiroと、長年にわたり接着剤や文具・材料の開発・製造技術を培ってきた不易糊工業をMUICがマッチング。
 両社それぞれの技術や知見を掛け合わせることで、廃棄野菜・果物由来のアップサイクル原料と、デンプンを主原料とするバイオスターチプラスチックを組み合わせた、新たな環境配慮型素材の共同開発へと発展した。
 この事例は、異なる分野の企業がオープンイノベーションを通じて出会い、それぞれの強みを持ち寄ることで、新たな価値創出につながった、MUICのオープンイノベーション活動を象徴する成果の一つである。
 両社は同素材を単一製品向けの特殊材料ではなく、用途を横断して展開できる「素材プラットフォーム」と位置づけ、今後さまざまな製品への採用・用途開発を進めていくことでアップサイクルエコシステムの社会実装を目指す。

開発された新素材の特長
(1)CO2排出量を約34%削減
 従来のPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)を利用した製品と比較し、LCA(ライフサイクルアセスメント)に基づく試算において、CO2排出量を約34%削減するデータが得られている。
(2)バイオマス素材を50%以上配合
 植物由来のバイオマス素材を50%以上配合することで、石油由来樹脂への依存を低減。
(3)廃棄野菜・果物由来のアップサイクル原料を活用
 これまで廃棄されてきた野菜・果物の残さをアップサイクル原料として配合。未利用資源を素材の一部として活用することで、廃棄物の有効活用と資源循環につなげる。
(4)幅広い成形品に展開できる汎用性
 射出成形およびブロー成形での実績があり、容器・キャップ類をはじめ、文具、生活雑貨、ノベルティなど、さまざまな用途への展開が可能な汎用成形材料として設計されている。

想定用途
 同素材は、日常的に使用される身近な製品を中心に、さまざまな領域での採用を想定している。
•文具・事務用品
 糊容器やキャップ、ケース類など、文具・事務用品への活用。
•生活雑貨・日用品
 容器、トイレタリー用品、収納用品など、生活のなかで日常的に使用される製品への活用。
•ノベルティ・企業オリジナル製品
 企業ノベルティやオリジナル製品など、環境配慮や資源循環を製品の付加価値として訴求したい企業への活用。
•BtoBにおける製品・用途開発
 企業が保有する未利用資源との組み合わせや、用途・形状に応じた製品開発など、企業との共創による新たな活用方法についても検討していく。

今後の展開
 不易糊工業とmizuiroは、この素材を活用した製品化および用途開発を進めるとともに、環境配慮型素材の導入を検討する企業との共創を推進していく。
 MUICは、会員企業同士のマッチングや事業共創支援を通じて、社会課題解決につながるプロジェクト創出を支援していく。今回の共同開発を一つのモデルケースとして、企業それぞれが持つ技術や未利用資源を掛け合わせ、新たな価値へと転換するイノベーションの取り組みを広げていく。

あなたへのおすすめ