【太陽光発電】日揮、三重県でフィルム型カルコパイライト太陽電池向け施工法「シート工法」の実証開始

 日揮ホールディングスは、国内事業会社である日揮が開発を進めるフィルム型太陽電池向けの施工法「シート工法※1」について、2026年10月8日より、三重県の「次世代型太陽電池の普及拡大に向けた実証事業※2」にて、フィルム型カルコパイライト太陽電池を用いた実証を開始したことを発表した。
 同実証は、三重県および本田技研工業と連携し、Honda鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)内の工場建屋の折板屋根にシート工法を適用して、施工性、安全性、維持管理性、発電性能および遮熱効果を検証する。実証期間は2027年2月上旬頃までを予定している。

Honda鈴鹿製作所の実証設備

 フィルム型の次世代太陽電池は、従来のシリコン型太陽電池と比べて薄く、軽く、柔軟性を有することから、耐荷重や屋根形状の制約により従来型の太陽光発電設備を設置しにくい場所への導入が期待されている。
 Honda鈴鹿製作所では、カーボンニュートラルの実現に向けて工場建屋への太陽光発電設備の導入を検討している一方、耐荷重不足や屋根形状の不適合により、従来型の太陽電池を設置できない屋根がある。
 実証では、軽量な次世代フィルム型太陽電池を工場特有の折板屋根に設置するにあたり、シート工法の適用可能性を検証。PXP製のフィルム型カルコパイライト太陽電池を用いて、長さ約3.3m、幅約0.5mの連結モジュールを使用。約2kg/m²と軽量で、折り畳んで運搬でき、施工場所で展開できるため、搬入や取り扱いが容易。工場でモジュール内部の配線をあらかじめ接続しておくことで、現場での配線作業を減らし施工期間や作業負担を削減する。
 また工場建屋では、日射による室温上昇が冷房負荷や作業環境に影響する。シート工法では、複数の太陽電池を連結した大判・軽量のモジュールと遮熱シートを組み合わせて架台として設置するため、発電に加えて建屋への熱の伝達を抑える効果が見込まれている。実証では、太陽電池を設置した部分とそうでない部分の温度データ等を取得し、遮熱効果についても定量的に検証する。
 このほか、シート工法で設置された太陽電池で発電した電気は、交換式のバッテリーに充電後、電動スクーターに活用し、走行によるCO2排出量の削減効果の検証を行う。
 実証期間:2026年10月8日~2027年2月上旬頃(予定)
 実証場所:本田技研工業 鈴鹿製作所
 実証規模:約16m²(1kW級の発電設備)
 使用する太陽電池:PXP製フィルム型カルコパイライト太陽電池
 施工方法:シート工法(長さ約3.3m×幅約0.5mの連結モジュール)
 主な検証項目:施工性・安全性・維持管理性・遮熱性
 日揮グループは、中期経営計画「BSP2030」において、重点戦略の1つに「ソリューションビジネスの拡充」を掲げている。本工法の開発は、今回使用するカルコパイライト太陽電池や、ペロブスカイト太陽電池といった次世代フィルム型太陽電池の設置における施工上の課題に対し、日揮が有するエンジニアリング技術を活用した新たなソリューションの確立を目指す取り組み。
 実証を通じて工場建屋へのシート工法の適用実績を蓄積し、産業集積地域の工場や物流施設など、従来型の太陽光発電設備の設置が難しい施設へ展開し、カーボンニュートラルの実現に貢献する。
※1 シート工法のイメージ動画
※2 三重県「次世代型太陽電池の普及拡大に向けた実証事業業務委託」企画提案コンペ選定結果

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