【水銀フリー真空紫外光源技術】工学院大学の尾沼猛儀教授等、半導体ベースで185nm輝線代替へ。2026年7月9日にJST新技術説明会でオンライン公開

 工学院大学の尾沼猛儀教授(応用物理学科)は、環境負荷の少ない次世代紫外光源の開発に取り組んでいるが、このたび、水銀を使わずに185~200nmの真空紫外域に対応する、岩塩構造酸化マグネシウム亜鉛半導体を用いた光源技術を開発した。
 2026年7月9日にオンライン開催されるJST新技術説明会(主催:国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)、工学院大学)において最新研究成果と産業応用の可能性を企業に向けて紹介し、社会での技術活用を進める。
 岩塩構造酸化マグネシウム亜鉛半導体を用いた光源技術のポイントは次の通り。
・低圧水銀灯の185nm輝線の代替を目指す、水銀フリーの半導体ベース真空紫外光源技術
・185~200nm域で、波長選択可能な光源の実現を目指す
・殺菌・消毒、浄水処理、半導体製造における微細加工・新材料成膜プロセスなどへの応用を想定

 「水銀に関する水俣条約」により、水銀を使用する低圧水銀灯の代替光源の開発が求められている。低圧水銀灯の254nmについては代替が進んでいる一方、210nm以下の発光は難しいとされている。また、エキシマランプやレーザは、リソグラフィなどの特殊用途に適しているものの、発光波長が限られることや、ガス価格の高騰などから、汎用装置としての普及には課題がある。
 開発した光源技術では、ミスト化学気相堆積法により、岩塩構造酸化マグネシウム亜鉛半導体を用いた構造を製作。水銀を使用しない半導体材料により、低圧水銀灯の185nm輝線を含む185~200nmの真空紫外域で、波長選択可能な水銀フリー光源の実現を目指す点に特徴がある。
 この技術の実用化によって、医療現場、工場、公共施設などにおける殺菌・消毒用途、環境負荷を低減した高度浄水処理システムへの応用が期待される。また、半導体製造分野では、微細加工や新材料の成膜プロセスなどへの展開も想定される。将来的に発光効率が向上することで、カーボンニュートラルへの貢献も見込まれる。
特許情報
 発明の名称: 原料供給装置、成膜装置、原料供給方法および成膜方法
 発明者  : 尾沼猛儀、山口智広、小川広太郎、愛智宏行
 出願人  : 学校法人 工学院大学
 出願番号 : 特願 2025-119206

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