【産業用AIソフトウェア】IFS、Cloud最新版「26R1」でERP・企業資産管理・フィールドサービス管理・サステナビリティ領域の機能拡充

産業用AIソフトウェアのリーディングプロバイダーであるIFSは、IFS Cloudの最新版「26R1」の機能を強化した。
生成AIやエージェンティックAIを含む産業用AIの進展を背景に、26R1ではERP・企業資産管理(EAM)・フィールドサービス管理(FSM)・サステナビリティの各領域でアップデートを実施した。許可証の発行から見積内容と製造仕様の整合、資産の保守計画に至るまで、現場の細かな業務判断を支える機能強化を軸としている。これにより、業務効率の向上、安全性・統制の強化、意思決定の高度化を支援する。
今回のアップデートは、現場で実際に業務が行われる場所へより深いインテリジェンスと統制を届け、あらゆる業務領域における運用を強化することを目的としている。
なお、IFS Zeroについては、日本国内では2026年5月27日開催の「IFS Connect Japan」(東京)にて紹介されている。ここでは、フィールドサービス管理(FSM)と企業資産管理(EAM)の強化点を中心に紹介する。
<主なアップデート概要>
・サステナビリティ:資産集約型産業向けAIネイティブ排出量管理システム「IFS Zero」(Scope1〜3の排出量の測定・開示・対応を支援)
・フィールドサービス管理(FSM)※詳細は後述:オンライン・オフライン・契約者対応を含む一貫した現場実行支援、長期案件向け「Service rojects」、商取引契約管理の強化
・企業資産管理(EAM)※詳細は後述:Permit-to-Work(作業許可)連携強化、Compatible Units(標準作業テンプレート)の強化、FMECA(故障モード影響致命度解析)の高度化
・製造:CPQ(見積〜製造仕様の整合)、First Article Inspection(AS9102C準拠の初品検査)、MRPシミュレーション
・航空:ICAMによる部材の自動引当、一元化された修理リファレンスライブラリ
・サプライチェーン/CRM:倉庫ピッキング業務の効率化、Microsoft Teamsとの連携
・IFS.ai Operational Intelligence(アドオン):ERP・EAM・SCADA等のデータを統合し、予測的な運用把握を支援
フィールドサービス管理(FSM)の主な強化点は次の通り。
現場作業の実行モデルは、オフライン対応が必要な技術者、完全オンラインで稼働するチーム、迅速な立ち上げが求められる外部契約者など多岐にわたる。26R1では、オフライン対応のモバイル実行環境、受注から報告までを一気通貫でカバーするブラウザベースの「Service Execution Portal」、アカウント登録不要でリンクから利用できる契約者向け簡易ポータルを提供し、どの実行モデルでも一貫した対応を可能にする。
また、数週間から数カ月に及ぶ長期・複雑な案件を、サービス業務の枠内でプロジェクトとして管理できる「Service Projects」を新設。見積プロセスからの起票にも対応し、長期的なキャパシティ計画の基盤となる。
商取引契約管理では、使用量に応じた自動価格調整、契約改訂の統制(承認履歴・監査証跡付き)、原価・価格フレームワークの整備により、マージン保護と請求トラブルの低減を支援する。
企業資産管理(EAM)の主な強化点は次の通り。
Permit-to-Work(作業許可)プロセスでは、許可証・隔離指示・作業タスクを直接連携させ、どの許可がどの作業を対象としているかを一目で把握できるようにした。相反する安全指示は事前に検知され、作業開始前の解消を促す。スケジュール変更時には、理由・承認記録を伴う許可証の期間延長プロセスにより、統制を維持したまま計画変更に対応。
Compatible Units(標準作業テンプレート)の強化により、作業構成・原価コード・資材要件を自動生成し、大量の作業における一貫性を高める。FERC(米国連邦エネルギー規制委員会)規制対象の公益事業をはじめとする規制産業において、正確な原価計上と監査対応力の向上に寄与する。
FMECA(故障モード影響致命度解析)では、故障モードや機能に関する基礎データを各分析の間で共有できるようにし、社内外の専門家によるコラボレーションを強化。IFS Copilotによる分析支援もFMECAのワークフローに拡張されている。

