【フォトニックコーティング材料】NanoResonance、シリコンナノ粒子を用いた「ResoFia」の事業化を加速

 NanoResonanceは、シリコンナノ粒子の光共鳴現象を利用した次世代フォトニックコーティング材料「ResoFia」の事業化を推進している。

 同社は、「世界を塗り替える(Revolutionize how we color the world)」をビジョンに掲げ、神戸大学 杉本泰准教授の研究室で生まれた研究成果を社会へ届けることを目的として設立されたディープテックスタートアップで。世界初の共鳴発色材料の実装を目指している。

ResoFiaとは - 光の共鳴による全く新しい発色原理を活用 -
 ResoFiaは、従来の構造色とは異なり規則構造ではなく「真球シリコンナノ粒子単体の光共鳴」を利用して発色する独自技術。一般的な構造色材料の多くは、規則的なナノ構造の形成や複雑な微細加工を必要とする。一方、ResoFiaは単一粒子の光共鳴を利用するため、角度依存性が小さく、従来顔料と同様の形態で利用でき塗料やインクへの展開が容易であることが特長だ。高い真球度を有するシリコンナノ粒子の粒径を精密に制御することで、可視光域における光共鳴(Mie共鳴)を利用した鮮やかな発色を実現している。

 ResoFiaは、粒子一つ一つが強く光と相互作用するため、従来の顔料よりも少ない材料量で鮮やかな発色が可能。

 その結果、従来の発色塗膜層を1/10〜1/100程度まで薄膜化できる可能性があり、

  •  軽量化 
  • 材料使用量の削減
  • CO₂排出削減 

などへの貢献も期待されている。

発色と機能性を両立
 ResoFiaは、鮮やかな発色を実現するだけでなく、機能性材料としての特長も兼ね備えている。特に、既存の紫外線遮蔽剤として広く使用される酸化チタンと比較しても優れた紫外線遮蔽性能を有しており、発色と紫外線遮蔽を同時に実現できる新しい材料として期待されている。
 この特長を活かし、化粧品や高耐候コーティングをはじめ、色と機能性の両立が求められる幅広い用途への展開を進めている。

JST「D-Global」から誕生し、追加支援にも採択 
 NanoResonanceは、JSTの大学発新産業創出プログラム「D-Global」に採択された総額約3億円規模のプロジェクトを基盤として設立された神戸大学発スタートアップ。さらに2026年には、事業化を加速する「D-Global SU直接支援」に採択され、最大1億円の追加支援を受けながら、量産技術の確立と用途開発を進めている。

航空機の軽量化技術としてNEDO事業にも採択
 また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「NEP躍進コースGX」に採択された。
 同事業では、ResoFiaを活用した航空機向け超軽量フォトニックコーティングの開発に取り組んでいる。従来塗膜よりも大幅な薄膜化を実現することで航空機の塗料重量を大幅に低減することで、燃費改善やCO₂排出削減につながる技術として期待されている。

ResoFiaによる航空機塗装の軽量化コンセプト

量産化と用途開発を本格化
 NanoResonanceでは現在、国内外30社を超える企業と以下の分野で評価・共同開発を進めている。

  •  化粧品
  • 航空宇宙・自動車向けコーティング
  • 加飾フィルム 等

 これらの取り組みをさらに加速するため、2026年7月に兵庫県尼崎市に専用の量産化パイロット施設を開設した。
 同施設では2026年8月よりパイロット生産を開始し、量産プロセスの確立とサンプル供給体制の強化を進めることで、国内外企業との用途開発をさらに加速する。

今後の展望
 NanoResonanceは、「世界を塗り替える」というビジョンのもと、100年以上大きく変わらなかった色材の常識を変え、材料の力で新たな価値を創造していく。

 日本発のディープテックとして、大学の研究成果を世界市場へ展開し、航空宇宙、自動車、化粧品をはじめとする幅広い産業分野で次世代フォトニックコーティング材料の社会実装を推進する考えだ。

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