【150℃耐熱フィルム】東レ、フィルムコンデンサを用いた高温インバータの動作実証に成功
東レは、このたび、東レが開発した150℃耐熱フィルムを誘電体として用いたフィルムコンデンサ※1を試作し、当該コンデンサを搭載したインバータ※2について150℃環境下での動作実証に成功した。
脱炭素社会の実現に向け、EVや電動航空機、空飛ぶクルマなど次世代モビリティの電動化が進んでいるが、駆動システムの高出力化に伴い、インバータ内部で電力を安定化するフィルムコンデンサの耐熱性がシステム設計上の制約の一つとなっていた。特に空飛ぶクルマなどでは、航続距離向上のために放熱構造の小型・軽量化が重要であり、フィルムコンデンサのさらなる耐熱温度向上が求められている。
東レは、名古屋大学未来材料・システム研究所 山本真義教授と共同研究で試作したモデルインバータにおいて、東レの150℃耐熱フィルムを用いたコンデンサが高温環境下でも安定して動作することを実証した。さらに、熱シミュレーション※3を活用することで、放熱構造を約50%小型化※4できる可能性を確認した。今後も、150℃耐熱コンデンサ用フィルムの社会実装に向けては、名古屋大学と連携しながら開発・検討を進める。

150℃耐熱フィルムコンデンサ搭載品
なお、今回の成果は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による「次世代モビリティ向けフィルムコンデンサ用高耐熱フィルムの開発」補助事業※5の成果であり、2026年10月13日~16日に幕張メッセで開催される、未来社会の実現に向けた技術やサービスが集う総合展示会「CEATEC 2026」のNEDOブースに出展予定。
※1 フィルムコンデンサ:プラスチックフィルムを誘電体として用いるコンデンサ。耐久性・信頼性に優れ、インバータなどの電力変換機器に広く使用されている。
※2 インバータ:直流電力を交流電力に変換し、モーターなどの駆動を制御する電力変換装置。EVや産業機器に広く用いられる。
※3 熱シミュレーション:コンピュータ上で熱の発生や伝達を解析・予測する技術。
※4 東レ調査による。フィルムコンデンサの高耐熱化による放熱構造小型化効果を、電動モビリティ向けPCU(パワーコントロールユニット)を想定して試算した結果に基づくもの(2026年9月末時点)。
※5 NEDO補助事業「次世代モビリティ向けフィルムコンデンサ用高耐熱フィルムの開発」の概要(2023年度採択テーマ)
空飛ぶクルマや電動自動車など次世代電動モビリティ向けに、PCUの空冷化を可能とする150℃耐熱フィルムコンデンサ用誘電体フィルムを開発し、空冷化による小型・軽量化、高効率化を通じて、モビリティの電費向上と省エネルギー社会の実現に貢献する事業。
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100197.html


